プラネテス/幸村誠/(ASIN:4063287351)

第一部完結記念レビュー。
長期休載でいつ始まるかはわかりませんが…
 
この物語の舞台は西暦2070年代。
人類は宇宙に飛び出し、月面都市が存在する、そんな時代。
エネルギーは地球の化石燃料が枯渇し、宇宙資源に頼るようになった。
そして、宇宙空間には開拓のために生まれたゴミ・デブリが残されており、今もなお増え続けている…
 
主人公・星野八郎太(通称ハチマキ)は、デブリの掃除を行うデブリ回収業を生業とした青年である。
そんなハチマキには大きな夢がある…
いつか、自分だけの宇宙船を手に入れ、誰にも指図されずに宇宙を飛び回りたいという…
 
設定でわかると思いますが、この作品は宇宙が舞台の本格SF漫画です。
 
主なストーリーはハチマキを中心とした成長物語なんですが、デブリ回収船で共に働く仲間であるユーリ、フィー、タナベなど、それぞれが持つ想いがあり、ドラマがあります。
そして、それぞれのキャラにおいて、様々な障害、苦悩、不安、葛藤が渦巻き、人類が宇宙に出て行くとはどういうことか、宇宙で生きていくとはどういうことかという主題が語られていきます。
「彼らは宇宙で一生懸命生きていってる」という描写が素直に入ってきて、その作品世界に引き込んでくれます。
 
とにかく、壮大な宇宙を緻密に描くすばらしい漫画です。
途中であまりに哲学系に傾きすぎてる点が気になりましたが、世界設定、ストーリー、エンターテイメント性などすべてが絡み合った面白い漫画になっております。
 
読者にも「宇宙」というものを考えさせてしまう、リアルな宇宙を描いたこの漫画、ぜひとも多くの方に触れて欲しい作品であります。
 
とりあえず、フィー姉さんに惚れてしまいそうです!
つーか、惚れた!
フィー姉さん、かっこ良すぎ!
 
しかし、この作者さん、めちゃめちゃ絵がうまくなっていってますなー…