企業戦士YAMAZAKI/富沢順/(ASIN:4088582810)

熱い漫画。
 
主人公・山崎宅郎は、派遣会社であるNEO-SYSTEM社の社員であり、その働きぶりは、各社が頭を悩ませているビジネスをすべて100%で成功させてしまう!
その優秀な特A級派遣社員である山崎、実は一度、過労によって亡くなってしまったビジネスマン・尾崎達郎がサイボーグとして生まれ変わった姿なのだ!
生身の部分はその優秀な脳だけで、体は超々ジュラルミン製、そして各種の武器が装備されている!
NEO-SYSTEM社のライバルサイボーグ社員達は、山崎のアイデアを盗もうとあの手この手で山崎を追い詰める!
優秀な頭脳から生まれるシビれるようなビジネスアイデアと、ライバル社員との超弩級な戦闘で、今日も山崎は戦い続ける!
 
…なんか文章にすると、すごいうさんくさいなー。
まー、ノリはB級映画な感じなんで、間違ってはないですが(笑)
 
この漫画は、とにかく熱い!
一番熱いのは山崎の生き様!
一度、過労死という形で命を落とした彼が、なぜまだ会社というものに所属してまで働き続けるのか…
実は、彼の死因は過労死として認定されなかったため、彼の妻子には山崎が死亡した際の保険金が下りなかった。
そのため、残した家族に苦労がかかってしまう。
そんな妻子を救うため、再びビジネスマンとして蘇ってきたのです。
泣かせやがるっ!
 
あと、山崎は仕事に対して非常に厳格であり、人として働くことを態度で示していきます。
そんな彼が発する言葉は名言だらけ!
 

  • “人”が“動く”と書いて“働く”と読みます。お互い“人”として生きたいものですね。
  • 生まれたときから答えが出ているくらいなら… 最初から老人として生まれてくればいい!!
  • 心がどんなに傷つこうと、決して傷つくことのないひとかけらの魂がアナタにもあるはず!

 
この漫画、だいたいが一話完結型なのですが、そのほとんどの話に1回以上名言が飛び出します。
 
あと、山崎のビジネスアイデアが結構面白い!
この漫画、1993年に連載が始まったのですが、その初期段階で

  • すべてのチャンネルのテレビ番組を72時間分記録し、その72時間以内の番組をいつでも見られる製品

なんてものを考えだしてます!
「うわ!これ欲しい!」と読んだ当時に思ったものです。
他のアイデアも(トンデモ系も結構ありますが)実現したら面白そうなものがたーくさん!
この辺りは作者の富沢さんのアイデアがすばらしいのでしょう。
 
そして、忘れてはならないのが、ライバル社員との格闘(笑)
もう、ワンパターンに次ぐワンパターンで、ライバル達を文字通り蹴散らしていきます!
最初の頃は、ヤマザキ・キックやらヤマザキ・ビームなんて技で倒してましたが、途中からギャラクティカヤマザキとか、ヤマザキ神拳とかネタぶっとびすぎ!
 
うならされる山崎の生き様・名言、面白いビジネスアイデア、そしてぶっ飛んだ格闘シーン!
見事なエンターテイメント漫画としてお勧めいたします。
 
さてと、私は明日も転がらない石ころとして頑張りますか(だめだぁ〜…)